NOT YOUR EVERYDAY DOORMAT

ネッフリ・アマプラの記憶

インシディアス『序章』

感想:見る順番があかんかったのかシリーズ自体があかんかったのか

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インシディアスの名前で幾つか映画がある(ような気がする。未見。)けど、序章と銘打ちながら、これがシリーズ最初の作品ではないよう。

それどころか、どうもこの作品はこれ以前のシリーズ作品の伏線回収回というか、背景説明回ぽい。

前を見ていないワテクシには内容が薄いようでした。

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高校卒業を間近に控える顔短くてぎゅっと詰まってる系かわいこちゃんクインは、最近部屋に誰かの気配を感じる。

これは死んだママンに違いないわ?

思い立って霊能者エリーズの元を訪れるが、夫の自殺(が直接の原因ではないんだけど)のせいで心に傷を負ったエリーズには断られてしまう。

パパンはワンオペでてんやわんやだし、弟は言うことを聞かないし、家を出ていくのがまちきれないわ!

というごく普通の10代クインたんはとある日、道の奥で手招きする人影を見かける。

なんだありゃ?と目を凝らす…とそこへ突っ込んでくる車!派手にはねられるクインたん!見せ場に乏しい映画の数少ない見せ場なのでお見逃しなく!

辛くも一命を取り留めるも両足骨折の重傷を負ってしまう。歩けなくなることがこの後起こる恐怖(全然怖くない)の大きいポイント。

車いすでマンションに帰ってきたクイン。

隣に住むヘクター(クインに片思い中・ほぼほぼ怪奇現象を怪奇現象たらしめるためだけに登場のモブキャラ)、痴呆を患う(故に核心をついたことを言ってるんだけどネコババァpgr されて相手にされない)黒人のおばあさんが出迎えてくれる。

あなたの部屋の換気口には息が出来ない男の人が住んでいる、とおばーちゃんに言われて???まあぼけてるからね、うんうん。

することなくて暇なクインたんは夜中に隣の家に接してる壁をknockして、ヘクターといちゃついてみる。向こうからもknockが返ってくるので、ふふふヘクターったら(はぁと)起こしちゃった?とテキストすると、今おばあちゃんちおるねんとヘクター少年。え?じゃあこのknockを返してくるのは誰や?!

と、天井にピキピキ走るひび!

やっと!やっと恐怖らしい要素が!

上階の住人がヒャッハーパーリー野郎なんじゃないかと疑うパパンだけど、空き家。

そんなわけはない…オカシックス…と一通り見て回ると、発見!タールみたいな足跡!てってれー!

霊視はしないことにしていたエリーズだけれど、立ち向かわなければ…とクインのマンションに捕らわれた幽霊達がさ迷う精神世界へダイブイン。

マンションの中には、複数の幽霊。どうやら「息の出来ない男」が住人にとりついては自殺をさせた後、幽霊になったその人達をマンションに監禁しているよう。女しかいなかったす。スケベ幽霊。

威勢良く、おらおらぁ!出てこいや?!と突き進むエリーズだけど、鏡の中から自分をつけねらう女の幽霊(湯ばぁば風)が飛び出てくると、いやぁぁぁやっぱりむりぃぃぃぃとなって離脱。さっきまでの威勢なんだったん。

エリーズは夫が自殺した時にあの世へ自ら出向いてみた結果、湯ばぁばに取り付かれてしまい、それが原因で降霊術が行えなくなってしまったんですね。

エリーズがトラウマを乗り越えて、もう一度霊能力者として悪霊と闘う強さを手に入れる過程のご紹介だったのかもしれない。ここまで書いてて思ったけど。

頼みのエリーズが使い物にならなかったので、次に白羽の矢がたったのがお化け退治動画配信者×2。

何の役にもたたないんだろうと言う点は想像通り、キャラ設定はセオリー通り、しかし笑いをとりたいのであろう演出は滑りまくり。

役立たず二人組が刺激したためかクインが凶暴化してしまい、役立たず二人組に頭突きを決め両足のギブスをかち割り(痛そう…)、父親を罵りながら首をかっきって死のうとするが、あわやのところで取り押さえられ、時を同じくして三度目の正直で舞い戻るエリーズ。

今度はやる気です!

二人組にも無理やりこしらえた任務を与えて、パラサイトからクインを取り戻しに行くエリーズ。

と、そこに現れたのは自殺した夫、ジャックの霊。優しく僕と一緒に死んでくれ的なことを語りかけてくる。

なるほど、「息の出来ない男」はこうやってこれまで住人を自殺に追い込んでいたのね。

何しろ夫が恋しくて仕方ないエリーズ。ほだされる気まんまんに見せかけて、私のジャックはそんなこと言わないわよ!シャッ!と偽ジャックを斬りつけて、偽ジャックはギャッつって消滅。

その後、しつこくつきまとっていた湯ばぁばもぶん殴って退治。この調子でクインたんも助けちゃうぞ♪と思うもクインは半分パラサイトにのっとられていて奪還ならず。

一旦この世に戻ってきたエリーズに詰め寄るパパン。アメリカ映画を見ていていつも違和感を感じるポイント。全くの善意で助けてくれてる人に、You have to help us!と詰め寄る奴。あるあるでーす。

私ならムッとなってそんな態度ならもうやめますおすし!つって帰るわ。

なんか詳しいことは忘れたけどここでネコババァが生きてくるんじゃなかったかな?ママがクインたんの日記にかくしておいた手紙があるっていうんじゃなかったかな?めちゃくちゃうろ覚え!

もうここらあたりから、この映画はこれ以上深くも怖くもならないことに気づいてしまって、注意散漫に家事などしながら見てたんだよね。

とにかくそのママからのメッセージのおかげでバック・トゥ・ザ・この世したクインたん。幽霊退治やる気になったエリーズ。めでたしめでたしですよ。最後にもう1ツイストあって、エリーズの家に怖いピエロみたいなのが現れて、シギャー!ってなるんだけど、これもシリーズの前作品見てないので何が何だか…

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前にも書いたけど、この作品はシリーズの謎の補完的役割なのでしょう。前の作品も見てみないとね。でもこの感じだとあんまり怖くなさそうだなぁ。

 

 

 

 

 

ビクラムの正体:ヨガ、教祖、プレデター

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感想

ビクラムは少なくともレイシストではないな。

あらすじ

ホットヨガの元祖と言われるビクラムヨガの創始者、ビクラムチョードリーのアメリカでの成功から、セクハラ訴訟による転落までを描くドキュメンタリー。

 

ヨガといえば、いまでこそ若いOLの習い事必須項目みたいな扱いだけど、ちょっと前まではオウム真理教みたいな怪しい集団がメンバー獲得の隠れ蓑に使ってるっていうイメージじゃなかった?

うちの近所にも古い雑居ビルの三階くらいに色あせた看板だしてるヨガスタジオ(もうスタジオって感じですらない。ヨガ教室。)があって、通る度に(絶対カルト!絶対カルト!)ってアラームならしてる(自分に)。

なおちょっと前にブームだったホットヨガというジャンルは基本的にこのビクラムヨガの類になるらしく(よく調べてもいないので適当な情報。)、ということは日本のあのスタジオもこのスタジオもこの胡散臭いビキニブリーフ親父に教えを請うたインストラクターが先生してるんだろうか…

チョードリーが語る自分の来し方は、明らかに虚言癖があると分かるような内容。

子供の頃からヨガの大会で連続優秀しすぎて、ジーニストのキムタクよろしく大会から閉め出されただの(なおチョードリーが子供の頃にはヨガの競技大会は存在しなかった模様)、重量上げで東京オリンピックにでるはずで金メダルは確実だっただの(前日にコーチにバーベルを足に落とされて粉砕骨折、惜しくも出場を逃す…という多分全部嘘)、カーター大統領(ニクソンだったかも)にヨガ治療を施したらお礼にグリーンカードを貰っただの(後々元大統領の財団に問い合わせるもそんな記録は見つからなかった)…

そんな嘘つきチョードリーは、健康ブームと口のうまさも手伝ってテレビ出演を繰り返し、金儲け主義を前面に押し出して憚らず、ヨガスタジオのフランチャイズ化に成功する。

チョードリーが講師を務めるスタジオは、室温40度以上、湿度40%以上の中で、SPEEDOの海パンいっちょのチョードリーおっさんが、時にアビューシブな口調で生徒を罵倒しつつ(なお自分だけは冷房に当たってる)、トイレに行くのも制限される。

そんな過酷な環境の中でカリスマ性を高めていったチョードリーはもうやりたい放題。

そのやりたい放題の一つが、女性へのセクハラ・レイプ…

番組には恐らく被害者の一部しか出演してないと思うんだけど、これが、まぁ

美女!

人種はバラエティーに富んでて、皆揃って美女!

なんか変態おっさんと審美眼が一緒なんて嫌だな…

多くの被害者は、被害を受けた後も、ヨガインストラクターの資格を取れるまでスタジオに残っていた。

普通の環境にいる、普通の人ならなんで??って思う。サイコパスによる犯罪って外から見るとそう見えるよね。なぜ信じたのか、なぜ逃げなかったのか、なぜその時訴えなかったのか…

他人を搾取する人間は、多弁で攻撃的で口が悪い。自分が影響力を行使しやすそうな対象を見分ける能力があって、飴と鞭を使い分けてその人の自尊心を操る。お金や時間を人質にとって、対象を外界から、理性的な判断ができる第三者から隔離する。睡眠、食事、人間の尊厳を制限してまともな考えを持たせないようにする。

色んなサイコパスの犯罪はこういうスキームが多いんじゃないかな。餌食にならないためには

  • 人に対する態度が極度に良いときと悪いときのある人と関わりを持たない
  • 多くのお金や時間を必要とするもの、ことを始める前はよく検討して評判もチェックして、人に相談してからやるやらないを決める。もしくはやらない
  • 三大欲求的なものを制限される環境に身を置かない
  • 関係のない第三者の意見を聞いてみる、繋がりをたたない、なるべく隠し事をしない

ことかなぁ…

チョードリーは、スタジオの法務周りを引き受けていた担当者との裁判に負けた直後、賠償金も払わずに出国して今でもアメリカ以外で自分のスタジオを運営している。

これヒドいよね…訴えてた法務担当者のリーガルフィーは間違いなく膨大な金額なのに、チョードリーから賠償金とれないから自分で負担する羽目になるのかな…。

被害者の一人が、娘が、自分のようにヨガインストラクターになると言ったのを聞いて、レイプされるからダメ!と思った時に訴訟を意識したと言っていたのが印象的だったな。

マイケルジャクソンの性的虐待ドキュメンタリーでも、被害者が自分に子供が出来たことをきっかけに自分に起こったことは虐待だという認識を持つようになったと言っていたけど、『もし自分の大事な人に同じことが起こったら』と想像するまでは、自分が被害者であるという認識は生まれなかったりするんだね。

ラブレス

 

ラブレス(字幕版)

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  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: Prime Video
 

 

感想

息子が不憫でならない…

あらすじ

アースクエイクバードに比べて内容がみっちり詰まってる映画だったー。

ロシアの冬ということもありながら、風景が荒涼としてるのは登場人物の心象風景のよう。

夫婦として、末期も末期、断末魔、虫の息のボリスとイニヤ夫妻。家売ったりとか色々やることもあってか、顔を合わせればいがみ合い。お互いに12歳になる息子アレクセイの親権を押し付けあって売り言葉に買い言葉の大喧嘩。こういう場面のお約束、もちろん当の息子が聞いております。

このシーンがすごく秀逸で胸が痛かった…

母親が閉めたお手洗いのドアの影で声を殺して、顔をクシャクシャにして泣くアレクセイ。愛のない結婚から生まれて、どちらの親も自分を必要としていない(と、少なくともその瞬間は思える)。大人ならそんな関係から脱却することが出来ても、子供は愛もない自由もない世界に捕らわれて後数年は生きなければいけない。

アレクセイはこの時に消えてしまいたい、消えてしまおうと思ったのではないかなー。

翌朝、母親(仁王立ちでスマホをいじる)が用意した朝食をほとんど残して(この時も片目からポロッと涙を流すの…つらい…)家を駆け出すアレクセイには何か決意めいたものを漂わせている。

イニヤもボリスも幸せとはいえない環境で育って、二人の間の婚姻は失敗したけれど、悪いのはあくまで相手、という認識で新しいパートナーは自分が探していた要素を兼ね備えているので、今度こそうまく行くと確信しているけど、結局アレクセイが見つからないまま始まったそれぞれの新生活は周囲も含めて幸せには見えず、不必要だと言い放った息子の不在が埋めがたい穴を二人に開けていることがよく分かった。

イニヤもボリスも非常に未成熟で自分勝手だけれど、アレクセイを愛してなかったわけではなかったんだろうね。

ひどく損傷した子供の遺体を確認に行った時に、イニヤは取り乱し、アレクセイの身体的特徴を一つ一つあげて、これはアレクセイじゃないと否定するし、ボリスにも否定しろ!と迫って、ポロッと、あの子を手放すつもりなんてなかった…と告白する。本気か不明だけど。

未成熟故に自分の行動にコントロールが利かず、相手にどんな影響を与えるのかよく考えずにコミュニケーションとってしまう。成熟っていうのは、肉体的に大人になるとか、成功したと見なされる職業を得るということとイコールではなくて、成長の過程で親の愛を十分に受け取ったと子供が無意識下で認識することで、その過程が不完全だと精神的に大人になって人を思いやることってできないんだね…。

行方不明になったアレクセイを探すのに協力するボランティアは実在の団体をモデルにしているようなんだけど、軍隊のように系統だっていて、子供の失踪(恐らくは家庭に問題が理由の)がロシアでは多くある事象であることを想像させる。

最終的に二人が確認した損傷のひどい遺体がアレクセイだったのか(二人のショックの受け方からそうだったとも思える)、ただ単に見つかっていないのか明確に示唆はないんだけど、私にはアレクセイが強く強く消えたいと願った結果、本当に跡形もなく消えてしまったんじゃないかと思った。ファンタジーだけど。

合間とラストに差し挟まれるウクライナ情勢のニュースは何を意味していたのか、ロシアを取り巻く社会とそこに存在する問題をよく知っている人には見えるものがあるんだろうけど不勉強で分からず。残念。

ラスト、ベランダに置いたトレッドミル(壊れないん?)で空虚な表情を浮かべて立ち尽くすイニヤの着るジャージの胸に見える『RUSSIA 』の文字。

未成熟で無関心な人間が弱いものを傷つけて自分も決して幸せにならない、それが今のロシア、そう言っているのでしょうか。

 

アースクエイクバード

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感想

外人から見た日本を直視するのがキチー

あらすじ

故郷から遠く離れた日本で、翻訳者として働くルーシー。友人の紹介で親しくなったアメリカ人リリーが、行方不明になった後死体で見つかる。ルーシーは驚かない。ルーシーの行くところには死がつきまとうから…

 

トゥームレイダーのルーシーさん、元ガールフレンドエクスペリエンスのリリーさん、現EXILEのナオキーさんによる、2019年一番かゆい映画。

欧米人が描く日本も在る一面ではリアルなんだろうけど、日本人が見るとどうしてもこっぱずかしい感があって超細切れに頑張って視聴した。

ルーシーさんは日本で定職を得て働くミステリアススウェーデン人、リリーさんはモラトリアム満喫中、元看護士今バーテンアメリカ人、ナオキーさんはミステリアスカメラ小僧兼そば屋。

全体的にイメージだけで作ったイメージビデオみたいな仕上がりだったね。

最終的にはナオキーさんはただの変態カメラ小僧シリアルキラーで、別にルーシーさんのことを分かってくれてたわけでもなくて、自分に関わった人は死んじゃうというルーシーさんの考えは思いこみだったということになり、チャンチャン♪なんですが、

 

前半のイメージビデオなんだったん?

 

ナオキーさんに変な踊り踊らせた後にルーシーさんのトラウマ体験通じて心通わせたのはなんだったん?

無駄に出てくるCrystal Kayさんは?リリーさんの小悪魔っぷりは?色んなことど忘れしちゃう癖は?ルーシーさんとのレズ疑惑は?借りてったコートは?家に来たと思ったら消えてる翻訳会社同僚キキさんは?

ナオキー俺を信じて?とかいうてシリアルキラーだし!最後にいきなりムッツリの仮面をかなぐりすてて、ただのいっちゃってるキャラに、キャラ変してくるし…

最初かっこよくみえたナオキーさんが、最後殺人鬼の正体を現す場面、イギリス人女性を殺してずっと逃げてた市橋なんとか容疑者に見えてゾッとしたわ。

これ80年代である意味ってなんかあったのかなぁ?小説をリアルに再現したかったのかな。もっとも舞台が現代だったら、ナオキーさんはきっとアイポンでパシャパシャやってて、リアルに盗撮だわ。

このために日本語を覚えたであろうルーシーさんの頑張りはすごかった。それだけ…内容が本当に見当たらない…

 

あっ、ナオキーさん地震の後には鳥が鳴くとか、地震の最中にスチール製ロッカーに避難するとか、そういう本当くさい嘘つくのやめて。皆信じちゃうから。

 

 

 

 

 

 

失われた時間

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感想

少女漫画かな?

あらすじ

交通事故にあって病院で目を覚ましたマン(バイ・バイホー)は、五年の結婚生活とその結婚生活が離婚で終わったことの記憶を全てなくしていた。

離婚したことが信じられないマンは、元夫のユー(ジョセフ・チャン)と生活を共にして、離婚の原因を探る。

結婚当初は幸せの絶頂にいた二人がうまくいかなくなった原因とその結果起こった過ちを知ったマンとユーは再びやり直す決心をするのだが…

 

もっと深みのある映画に出来たテーマだったと思うんだけど、ポイントポイントで上っ面的な展開を積み重ねた結果、物語のあらが気にならないようなインパクトはなくて(記憶の夜はネタばらしが新鮮で、あれ?と思ってたことが気にならなくなった)、逆にあらばっかり気になってしまった。

アジアの映画全般その傾向があると思うんだけど、特に中華圏、中でも台湾の作品って、『楽しい』場面の演出が過剰すぎない?

冒頭の原チャリに二人乗りして、キスするところを撮ろうとして事故るシーン(そりゃ事故るわ!)、ハングオーバーのDVD を見て笑い転げるシーン、家族友人が集まってクリスマスパーティーするシーン、フラッシュモブでもう一度プロポーズするシーン…どれも大袈裟で白々しくてしらけるわ…。

そして女性の描き方がステレオタイプ

  • 声がでかい
  • すぐ怒る
  • すぐ泣く
  • 自分勝手

なのは何でなんだろう?こういうタイプが多いのか、こういうタイプが好ましいと思われるのか?

感情移入が難しいタイプだわ。

ユーがなぜ二回目のプロポーズをしようと思ったのかよく分からなかったし、それがきっかけで手術を受けることにしたならとんでもない裏目だわよ。

見終わった後に思い返してみて、話の筋は覚えているんだけど、結局なんだったんだっけ?となってる。

肉体的に生きていなくても、節目節目にその人の人生に寄り添えることが大事なんだってこと?

記憶を無くして初心に返ったとしても、同じ二人の人間が同じ行程を繰り返したら夫婦関係はいずれ元の通り破綻すると思うけどね。

そしてジョセフ・チャンが、ジョセフ・チャンがなぁ…髭のこい原田泰造にしか見えないんだ…。髭永久脱毛してみてくれないかな…。

 

記憶の夜

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感想

人間は見せ方次第

あらすじ

良くできた兄ユソク、二浪中で神経を患う弟ジソクは家族で新居に引っ越してくる。

新しい生活にも慣れ始めた頃、ユソクが突然誘拐されて…

 

田中圭似の弟ジソクと、ずんの飯尾似の兄ユソク。

どちらも格好よく見えないんだけど、後半ユソクが正体を現すと、あら不思議、細身の鈴木亮平みたくなってかっこええやん。

ジソクが冒頭、監禁されて暴行を受ける場面から目覚めるところからして、記憶いじられてる系だろうな、とは思って、てっきり『誘拐された兄』がジソクなんだろうという読みだったんだけど。

その記憶の原因とか、引越業者の不可解な対応とか、誘拐されていた19日間とか、開かずの間からの変な物音とか、伏線の謎が解かれていくところはちょっとクスッとなる部分もあって、物語のあらが気にならなかったので良かったな。雨が降らないからなかなか惨殺事件の再現が出来なかったとか笑

通貨危機のことは知識として覚えているけど、映画の中での描かれ方が、終戦直後か?って勢いで皆カネコマへ転落してて、本当にそんなにひどかったのかなぁ?ちょっと当時の韓国に興味が湧いた。

最終的にジソクが思い出した殺人事件の顛末は、ユソクが密かに恐れていた通り、ユソクの父親が保険金目当てに母親を殺させた(アクシデントで娘も殺してしまった)というもので、絶望したユソクも、自分が人殺しだったと認識したジソクも自殺して終幕。なかなかに救いのない話だった…。

リアルな姿の方の悪ユソクがかっこよかったのと、ジソクが裸足で街を疾走するところに役者魂を感じたのと(むちゃくちゃ痛かったと思う…)、万策つきて超90年代なパソコンから超90年代なブラウザーで超90年代な交流サイトに書き込みするジソクが泣けたのが印象的でした!

 

 

 

 

 

 

ロンドンリバー

 

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感想

一部は真理、一部はステレオタイプ

あらすじ

2005年ロンドンで起こった同時多発テロ。子供と連絡がとれなくなったイギリス人主婦とフランスに移民として暮らすアフリカ人の父親の交わることのなかった人生が交錯しはじめる…

 

ロンドンブリッジ、ではなくロンドンリバーなんですね。しかしロンドンブリッジがかかるのはテームズ川。ロンドン川ってあるのかな?象徴的な意味の川なんでしょうか。

ロンドンの同時多発テロはもう14年も前のことなんですね。当時勤めていた会社の本社がロンドンにあったのだけれど、幸い被害にあった人は誰もおらず、あの規模のテロでも、被害にあってしまった人は非常に不幸にも、レアな確率で巻き込まれたんだなぁと思ったのを思い出した。

離島でのんびりした生活を送る初老女性エリザベスとフランスに長いこと住む英語の話せないウスマンの共通点は、子供の今の生活を良く知らないことと、ロンドンが馴染みのない土地であること。

同じイギリス人であるのに警官はエリザベスに親身になってくれず、彼女を助けてくれるのはテロの犯人と同じイスラム教徒ばかり。

一方フランスに暮らすイスラム教徒ウスマンのことは、モスリムコミュニティーが助けてくれる。

ふとしたきっかけで、自身の息子がエリザベスの娘ジェーンと交際していたことを知ってエリザベスに連絡をとるものの、エリザベスはウスマンのことも、ウスマンの息子のこともはなから信用せず偏見を露わにする。

  • イスラム教徒=良い人
  • イギリス人=根っからの悪人ではないが無知ゆえの偏見に捕らわれた人

っていう描き方をしたいのかな。そういう側面がないとは言わないけど、生活の中で異文化との接触の頻度は個人の環境、事情、趣向によって違うのは当たり前で、そこから導き出した答え(ここではイスラム教徒に対する理解や態度)を、無知!と決めつけるのはどうなんかなぁ、と。

それに、異文化に対する知識を増やしたり理解を深めたりするのは常にイギリス人側の義務なんだろうか。

移民の側で、イギリスの文化や生活習慣を理解してそこに違和感出来るだけ少なく溶け込む努力の方が順番としては先にくるのではないのか?

 

フランスに旅行に行く予定だったジェーンとその彼氏。

良かった!子供は生きてる!テロも自分たちの子供とは無関係だった!(途中二人とも、子供がテロを実行して姿を眩ましたのではないか、と疑い始めてた。)

と、急速に打ち解け始める二人。

ところがどっこい、実はジェーンとウスマンの息子(名前忘れた)は、朝銀行によってから旅行に出かけようと乗っていたバスがテロの標的になっていて身元確認すら不可能な、変わり果てた姿になっていたのでした。

失意のもとに、故郷に帰ろうとするエリザベスに、彼らの娘と息子はお互いに愛し合っていた、愛する人と出会えることは人生のすべてだ、と言葉をかけるウスマン。

エリザベスもウスマンも家族と離れ離れだったり、亡くしていたりするし、そういう状況におかれたときに悲しみのもう一方で、出会えたこと、愛し合えたことに感謝をすることは心の慰めになると思うので、ここにはとても共感。また、宗教や民族を越えてファンダメンタルな部分で人はつながりあえるというメッセージなんだろうな。

ただ、エリザベスがフランス語話せなかったら成立しないですけどね?!

言語は文化の最も大きいパートを占めていて、言語を共有するっていうのは文化を共有しているとも言えると思うので、この人達全く異世界にいるわけでもないんだよなぁ。

家族の行方が知れない焦り、家族の『今』を知らないことに対する驚愕、悲しみから何とかして立ち上がろうとする健気さ

には、同意しつつ

移民を受け入れる側への要求高めだなぁ

という残念感もありつつ、でした。家族に隠し事はしないほうがいいし、家族が後々困るような死に方はしないようにしようと思いました!